財産は全くもって無いんだけど、主人に公証人役場で遺言公正証書の作成をしてもらいました。財産がないのにわざわざ作成した理由や、作成までの流れや費用など、主人がどのように作成したかをどなたかのお役に立てればなと思い下記に沿って書いていきます。
遺言公正証書を作成するに至った理由
今回遺言公正証書を主人に作成してもらおうと思った理由が2つ。
1つ目は私の事になるんですが、私の両親は離婚しています。私は母に引き取られ、兄は父に引き取られ父はその後子連れの女性と再婚しました。そんな父が昨年亡くなり、葬儀の後父が再婚した女性から「諸々の手続きにあなたの印鑑が必要なの。」と言われ、もちろんその場で持ってるはずもなく後日持っていくことに。
農業や会社経営をしていた父だったのでたくさんの書類があったんですが、ササッと軽く説明を受け印鑑を押しました。その中には財産放棄の書類もあったような(笑)遺産全く貰ってません(笑)
後日別の件で父の再婚相手から連絡があり、私が父の戸籍から抜けた部分が載ってる書類が欲しいと言われ、市役所に行って書類を取りに行ったり電話をしなきゃいけなかったりで会社まで休まざるおえなかったし、書類を送ったりとほんと大変な目にあいました。
父の戸籍から抜けている私でしたが、父の子供に変わりはなく財産を貰う権利はあるので私の印鑑も必要だったんです。それもこれも父が遺言書を作成していればこんな事にはならなかったと。その為だけに「印鑑が必要なの」とか・・・
再婚後、養育費も止めたくせに都合いいよなと腹の中で思いました。なので、それが1つ目の理由。
そして2つ目が主人は再婚だと言うこと。前妻に数人の子供がいます。再婚相手である私との間にも子供がいます。なので、私が経験した事を前妻の子供達にさせずにすむよう遺言書を作成してもらいたいと思ったのが2つ目の理由。
実際、父の再婚相手は私の居所や連絡先を知っていたので本当に良かったと思います。これが知らなかったら・・・私を見つけて印鑑を貰うまでは一切遺産を使うことは出来ません。(葬儀費用など銀行によっては例外もあります)
私の知り合いには、お父様が亡くなられて戸籍を見ると、腹違いの兄弟がいたらしくその方を探すまで遺産の三千万には手をつけられず、お金を払って業者に探してもらい、お金がない知り合いは借金をして親の遺産をまだ手が付けられない状態にあります。それを聞くと尚更遺言書作成って大事だなと思ったんです。
遺言公正証書の作成までの流れ
私は公証人役場で作成してもらったので公証人役場での作成の流れを書きます。作成して出来上がるまでに2回公証人役場まで足を運ぶようになります。
まず、公証人役場に電話で遺言書作成をしたい旨を伝えます。予約制になってますので、
・どんな内容の遺言書を作成したいのか
・予約の日時
・必要書類
を話し、当日までに必要な書類を準備します。初めはどういった内容にすればいいか分からなかったんですが、公証人役場の方に「主人が無くなった時に、前妻の子供を探して印鑑や必要な書類などをもらわずに手続きできるように遺言書を作成したい」という旨を伝えました。
予約日に行った時に改めて詳しく話を聞いてもらいます。必要書類等を確認してもらい、どういった内容で作成するかの最終的な話し合いをします。1回目に訪れて話をした際は、所要時間30分程で終わりました。
次の予約の際に正式に遺言公正証書の作成となります。遺言公正証書の作成といっても、作成は公証人役場の方がしてくださいます。こちらの依頼内容に沿って作成してもらうので、次回は読み上げられた遺言書に変更等がないか確認し、問題なければ印鑑を押し終了です。
しかし、遺言公正証書を読み上げる際には証人が二人必要です。証人は未成年者や推定相続人などではなれません。そして、証人にも必要書類を準備してもらったり、一緒に出向いてもらう必要があります。
そんな証人2人もいないよ・・・と困っていましたが、証人がいなくても、1人につき五千円支払えば(2人なので一万円)公証人役場の方で代理の方を呼んでいただけますので私はそうさせていただきました。
その方達は公証人役場の方が手配してくれるので、1回目の面談の際にお願いする旨を伝えます。
証人2人と遺言者・公証人の4人のみの話となり、私は入れません。公証人が作成した遺言公正証書を読み上げ、これでよろしいですか?の問いにOKを出すと印鑑を押し遺言公正証書の作成が完了します。
その後は精算をしてもらい終了です。2回目の所要時間はおよそ15分程度でした。
遺言公正証書を作成するための必要書類
恥ずかしい話ですが、主人の場合は土地や不動産といった財産もありませんし現金もさほど持っていないので、必要な書類といえば
・印鑑証明書
・実印
・戸籍謄本(前妻や前妻の子供が載ってるもの)
こんな感じでした。この書類は1回目に行く時に持って行きます。2回目は実印と費用のみでした。もし土地や不動産などお持ちの場合は、登記事項証明書や権利書などが必要になってきますので予約の際に確認して下さい。
立会人2人が必要?いない場合は?
遺言公正証書をつくるには証人2人の立会いが必要となります。未成年者や推定相続人などは証人になれません。その他にもいくつか条件があるので訪ねてみて下さい。
私達夫婦の場合、地元ではないし身近にそんなお願いする人いない・・・。となりまして。すると、1人五千円・2人で一万円で立会人を依頼して頂けると聞いたのでお願いしました。
その場で連絡をして頂き、2回目の予約の日時に来れるかの確認もしてもらいました。これで一安心です。
遺言書の内容
作成していただいた遺言の内容は、相続人(主人の前妻の子供達)の同意を得ること無く、単独で遺言者の銀行等の預貯金等の名義変更や解約、その他当該遺言を執行するために必要な一切の行為をする権限を付与する。
万が一私(筆者)が先に亡くなった時や主人と一緒に亡くなった場合、私の子供が成年に達しているときは私の子供に遺言筆頭者を指名するという内容で作成してもらいました。
補足説明ですが、例えば遺言公正証書で財産を私と子供で半分こ!と決めたところで、前妻の子供に貰う権利はなくなるのか?と疑問が沸きますが遺留分といって、前妻の子供ももらう権利はあります。
ただし、それは前妻の子供に請求された場合となりますが、その分はわきまえて別にとっておいた方がいいと思います。
遺言公正証書を作成するための費用
今回遺言公正証書を作成した費用です。
立会人の費用を除くと23,000円。
内訳が
原本 5,000円×2
正本一通 1,000円
謄本一通 1,000円
遺言加算 11,000円
立会人の費用は2人で10,000円
合計33,000円でした。
遺言書の保管の仕方
自宅に保管用で2通同じものを頂きました。
大きい茶封筒にいれていただいたんですが、保管はのり付けもせずにそのままわかるところにしまっておいてかまいません。という事でした。
なぜ遺言公正証書を選んだのか
そもそも、費用もかかる。手間と時間もかかる。なぜ財産もないのに遺言公正証書を選んだのか。
公正証書は、法務大臣が任命する公証人が作成する公文書ですので、極めて強力な証拠力があります。ですので、
・遺言が無効にならない
・自分で書かなくていい
・紛失しても原本を公証人役場で保管してもらえるなどの利点があったからです。
自筆証書遺言の場合、とても規定が難しく無効になる場合もあり、一歩間違えれば面倒なことになりかねないし、第三者から捨てられたり偽造されたり、家庭裁判所での検認も必要でそちらも時間と手間がかかります。
なので今回の手間と費用を考えても、前妻の子供達を探す費用を考えると安く上がったかな?
ちなみに、前妻と子供たちは遠く離れた県に住んでいるので、旅費だけで上記の金額をはるかに超えてしまうと思います。
財産ないけど公証人役場で遺言書作成してきました!理由は?手続きの費用は?まとめ
今や3組に1組が離婚すると言われている時代です。離婚して再婚し、新たに子供を授かる事もあるでしょう。離婚した理由はなんにせよ、残された家族に多大な負担をかけないよう、ある程度は生きているうちに夫婦で話し合い、どのようにしたらいいのか話し合って必要に応じて遺言書を作成しておいてはいかがでしょうか。
もし養育費なども支払っておらずどこに住んでいるかも分からない。なんてことになっていたら、再婚相手にとって、見ず知らずの前妻の子供を当てもなく探して印鑑を押してもらったり、必要な書類を準備してもらったりと大変です。
手続きが終わるまでは通帳も使えないし、旦那さん名義の引き落としなど口座が凍結されて大変なことになってしまいます。その労力や費用を考えると、今動いていたほうが後々楽になると思います。
遺言公正証書と聞いただけでなんだか小難しく構えてしまう部分もあると思いますが、実際に行ってみた感想はこんなに簡単なんだ・・・と。この手続きさえしておけば、後々楽になるのならしておいて損はないよな。と。
もし今回の記事がどなたかのお役にたてれば幸いです。
※この内容は、あくまでも我が家の事になりますので、相続する内容により必要な書類なども変わってきます。くれぐれも予約の際に改めてご確認願います。
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